中東が原油減産に動かないと、世界恐慌になる恐れすらある

JXエネルギーのホームページを見たら、OPEC(石油輸出国機構)発足のいきさつが記されていた。

産油国は、石油収入の減少に対する危機感を抱き、これに対する防衛的手段の必要性を強く認識するようになった。
1960年9月、イラク、イラン、クウェート、サウジアラビアおよびベネズエラの5ヵ国は、イラクの首都バグダッドで石油輸出国会議を開催し、参加国の定期的協議を目的とした恒久的機関、石油輸出国機構(Organization of Petroleum Exporting Countries:OPEC)の設立を決議した。
設立時における具体的な目的は、「石油各社が石油価格を安定させ、不必要ないかなる変動もないように維持すること」を加盟国が要求し、「自らの判断によるあらゆる方法により、現行価格を値下げ以前に一般的であった水準に回復し、確定すること」であった。

最近の状況を見ると、皮肉にしか見えない。
「石油各社が石油価格を安定させ、不必要ないかなる変動もないように維持」全くやっていない。
盟主・サウジアラビアが「減産」を決められないまま、バカマジメで真面目クズな社畜が在庫を増やす過剰生産を続けた結果、叩き売り状態になってしまった。

「20ドルに下落してもOPECは減産しないと明言」…自殺行為だ。

原油販売収入で豊かなはずのサウジアラビアが、収入が大幅に減ってしまったので国債発行に追い込まれてしまったほか、叩き売りに巻き込まれたベネズエラ、ロシア、ブラジル、マレーシアが緊縮財政に追い込まれたり…

産油国が苦しむだけなら「てめぇが悪い」として終わらせられるが、産油国が資金繰りのために保有資産を叩き売りの形でも売ってきて、それが「コモディティ安」「株安」「不動産安」を引き起こし、損を負った人が「破産」だの「切り売り」だのに出ざるを得ない、売りが売りを呼ぶ負のスパイラルに追い込まれ、不景気を通り越した恐慌の事態に追い込みかねないから、怒りしか感じない。

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原油価格は2004年以来の安値をつける結果となってしまっている。

原油価格が高過ぎると「暖房代が、ガソリンが高過ぎる」などと問題になるのではあるが、原油価格が安過ぎると「暖房代が、ガソリンが安い!」とぬかよろこびしがち。

「暖房代が、ガソリンが安い!」だけで済めば歓迎なのだが、実際には縮小経済・デフレを呼んでしまい、実質賃金の減少、賃金カット、収入減少、場合によってはリストラ…の事態に各々が遭う形になってしまう。それも、世界中で。

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①サウジアラビアのサルマン国王は、かねてより死刑判決の出ていたシーア派指導者を処刑した

②イランでそれに反発する群衆がサウジアラビア大使館を襲撃、数ヶ国がイランと断交

もっともらしい理由は成り立つが、どうみても「対立をアピールして原油価格を上げたい」にしか見えなかった。原油叩き売りで歳入が激減し、財政が成り立たないから、「対立をアピールして原油価格を上げたい」なんて全盛期の発想に及んだとしか見えてこない。

現在アメリカがイランに課している経済制裁の解除が、「数日中」という見通しであると報じられたことで、異常に抑え込まれてきたイラン産原油の輸出が増えることは押さえようがないが、イランがあるべき産油量に戻した上で、OPEC加盟・非加盟に関係なく「供給過剰分を各国一律の比率で減産」の処置でも採らない限り、「イスラム恐慌」と欧米が名付けて呼ばれるに違いない「21世紀の世界恐慌」を呼び起こすことになってしまう。

でも、実態は「イスラム恐慌」とイスラム教国だけに責を押し付けるのは理不尽だ。アメリカがシェールガス・シェールオイルの採掘に成功したのが過剰供給の一因だし、世界人口の5分の1を占める中国が過剰施設をこさえるために無駄遣いして過剰供給を吸収していた一面もある。

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WTI、ドバイ、ブレンドとも1バレル100ドルを超えていた2011~14年の状況ではさすがに「高過ぎる」と思うしかなかったので、2014年10月100ドル→2015年3月60ドルの下げは歓迎できたが、世界の仕組みが60ドル程度が適正レンジになっていたからに過ぎない。財政赤字、緊縮財政、給料支払い停止やら資産叩き売りなんて話は聞こえてこなかった。

だが、アメリカ×中東諸国の「原油値引き競争による消耗戦」チキンレースが、資産叩き売りを呼んでしまって、世界の株価、コモディティ、不動産の価格崩壊を生み、逆資産効果→破綻の連鎖を世界中で呼んでしまうのである。

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ちょっと話がややこしくなるのだが、「21世紀の世界恐慌」を呼び起こす誘因は「原油値引き競争による消耗戦」だけでないからイヤラシイ。

資源を爆食し、食材を食い散らかし、コモディティを無闇に漁った中国が、「鬼城や遊休工場などデッドストックの減損処理→バブル崩壊」に至ることは、ほぼ否定できない。中国は、かねてから資金流出を世界中へさせているので、資金繰りのための資産叩き売りが、世界中に及ぶのも自明だ。長期間かけて敗戦処理をするのであれば、世界中で激しい「痛み」に見舞われる可能性は低くなるが、あの国の人民と来たら「可及的速やかに」しかやってこないから、「中華爆恐慌」に突き落としてきやがる恐怖はとても否定できるものではない。

「原油値引き競争による消耗戦」は、産油国の財政赤字、財政破綻をもたらしかねない事態にすでに至っているので、ダーイッシュのようなならず者を除けば、遠くない将来に世界協調減産に向かうとしか考えられない。「イスラム恐慌」にしてくるとは、とても考えられない。

その一方、わがままデブちゃん「中華爆恐慌」は否定できない。やりたい放題、自分勝手、身の程知らず、聞く耳を持たない、傲慢、尊大…てめえに閉じているだけならご自由にどうぞだが、「買い漁ったものを平然と投棄する」暴挙に出て第三者が大大大迷惑を受けるから自由にしろともできない。

「中東発世界恐慌」の悪名を張られたくなかったら、国際的な原油減産に動きなさい!
2016-01-15 21:12:31

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